隕石にぶつかったことはないけれど

長かったお休みが終わる。子どもが小さかった頃、あんなに欲しかったのに取れなかったお休みが。夫婦二人になって、こんなにあってどうするのというくらい長かったお休みが。



GW後は長期帰省が控えてる。なるべく体力を温存したい。人混みも避けたいな。久しぶりにあの映画館に行ってみようか。



思った通りだ。混んでないし、今日のお客さんは年齢層高め。私たちみたいな熟年ばかり。小さな劇場かと思いきや、そんなことないし、何より駅から近くていいね。ここ、舞台挨拶もよく行われているところだね。




たまたま最近小林聡美さんのエッセイを読んだばかりだった。


彼女が主演だから観ようと思った映画。

ツユクサ

YouTubeより

物語の冒頭で起きる、この1億分の1の確率と言われる隕石との衝突が、芙美の日常に起きた一つ目の奇跡。この出来事をきっかけに、芙美の日常に、小さくて大きな奇跡が訪れる。
シネマカフェ cinemacafe.net



主演の小林聡美さんは「さまざまなシーンで自然体で生きる女性を演じてきた唯一無二の女優」なんて言われてるけど、ほんと独特の雰囲気がある。私は彼女の食事シーンが好き。映画かもめ食堂でも、ペンションメッツァ(WOWOW)でも、いろんな料理を作っては食べていた。このツユクサの中でも、私の好きなアレ、作ってたな。



・・・



50歳を過ぎる頃から、なんとなく自分の逝く先が見えてきた。それは、元気だった親がそうではなくなって、自分にもいつかやってくる将来の姿を見せつけてくるからだろうか。この先、歳をとると良いことなんて無いのかなと思うこともあるけど、こうして夫婦で時々映画を観に出かけたり、街をただブラブラしたり出来るのって、凄くしあわせなことなんだろうな。私は隕石にぶつかったことはないけれど、こんな何てことない日常が、本当は奇跡かもしれない。


 

ねぇ、もうやめてもいいよね?




その日の朝、映画を観に行くことを決めた私は夫に言った。前日まで、いや当日の朝まで迷っていたのだけど、もうそろそろやめてもいいんじゃないか。なんとなくそう思ったのだ。少し前にリビングの家具を総入替して、置き場が無くなってしまったことも大きかったけど。




映画の中での彼女の言葉も胸に響いたし、これで良かったんだ。




長男が生まれたときに買って貰った兜を。子どもたちの健康と幸せを願って毎年必ず飾っていた兜を。これを飾れば、子どもたちが今年も一年無事に健康で幸せでいられる、と信じていた兜を、今年は飾ることがないままにこどもの日を迎えてしまった。




これで本当に









わたしの子育てが終わりました