そのお誘い、断ってもいいですか

 

ご連絡ありがとうございます。私は相変わらず隔月で帰省しており、その月も帰省の他に旅行の予定があり都合がつきません。


帰省の合間に推し活、趣味活をし、月に数日しか働いてない怠け者の私は、バリバリ働く皆に合わせる顔もなく、今後の同窓会は遠慮するかもしれません笑


でも、いつでも皆の健康と幸せを願っています♪

 

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あなたから突然届いたプチ同窓会のお知らせ。私は考えに考えて先の文言と近況を報告した。私の心配をよそにあなたから返ってきたのは、了解スタンプと近況には一言も触れない短い挨拶。

 

いつからだろう。あなたに会うのがしんどくなったのは。あなたが嫌いなわけじゃない。心底尊敬してる。あなたはいつだって清く正しく美しいし、真面目だ。私みたいにズルや間違ったことはしない。

 

そんなあなたに会うと、私はいつも自己嫌悪に陥ってしまう。たくさん話して笑って楽しい時間を過ごしたはずなのに、あなたと会った後の私は、自分が本当にダメ人間に思えてしまう。でも、家事育児をしながら働き続けてきたあなに比べたら、私がダメダメなのは事実なんだ。

 

だけどね、あのとき、あの言葉を聞いて何となくわかったよ。モヤモヤする理由が。だからもう自分の気持ちに正直になるね。気が進まない誘いは断ることにする。50代も終わりに近づき、自分に残された時間が限りあることを実感するから、嫌なことに割いている時間など勿体ない。

 

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夫が高校の同窓会から戻ってきた。私も同級生だけど、帰省したばかりだからと欠席した。


帰ってきた夫の顔を見ただけで、何も聞かずともその会がいかに楽しいものだったのかわかったよ。集合写真を見ながら二人で笑った。誰かわからないほど面影がなくなった人や、40年経っても全く変わらない人もいて、とにかく面白い。昔の写真を出してきて見比べては、自分たちのことは棚に上げまくって、酒のツマミにして大いに盛り上がった。

 

還暦目前の同級生たちは、大企業の役職や会社経営者、校長、海外在住者などなど、まだまだ現役で活躍中。でも、それはなんとなく夫が耳にした情報で、実際に話したのはバカばかりやっていた昔の思い出話。


大学卒業後、どんな仕事をして、どんな人生を送ってきたのか。どんな人と結婚して、子どもは何人いるのか。その子どもはどこの大学へ行き、どんな職業に就いたのか。そもそもそんな事など全く興味なんかないし、誰ともそんな話にはならなかったと。

 

そうだよね。高校卒業後から今日までの40年間、何事もなく平穏だった人なんていないだろう。皆、それぞれの場所で、いろんな理不尽なことを経験して、様々な困難をくぐり抜けてきての今がある。

 

とにかく、40年もの長い年月を無事に生きてきて、元気な姿で再会できたのが凄いことだ。

 

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そうそう、同窓会と言えば、私が忘れられない、あなたが言った、あのときの言葉。50歳になる年に集まった同窓会でのあなたの言葉だよ。

 

卒業後の人生の殆どを専業主婦として生きてきた私が、素晴らしい経歴や肩書きを持つ仲間たちと比べて劣等感を覚えるのは、仕方ないこと。だって、例え私が人生をやり直したとしても到底出来なかったことを彼女たちはやってきたのだから。

 

もう皆には敬意しかない。どれだけの苦しいことや辛いこと、悔しいことを乗り越えてきたのだろうか。泣いたり怒ったり色んなことに耐えながら働いてきたのだと思う。

 

同窓会って、そんな今日までを乗り越えて生きてきたことを褒めて喜びあうだけじゃダメなのかな。昔の懐かしすぎる話で笑うだけじゃだめなのかな。

 

勿論、あなたに悪気なんてさらさらないことはわかってるよ。きっと大真面目に考えて、これだけは絶対に外せないと思ったんだね。

 

でも、その場には皆と一緒に卒業できず、同じ職に就けなかった人もいたよ。まぁ、そもそも立派な経歴を作れなかった私が、のこのこと同窓会に出るべきじゃなかったんだと、今は思ってる。

 

だから、今回はそのお誘いお断りします。だって、あれは結構キツかったよー。

 

 

 

 

「はい、それでは順番に卒業後から現在までの経歴を言いましょう!」

 

 

 

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面接かよ!