ひとはいつか必ず死ぬ。死んでしまったらいま頭の中で考えていることは一体どこへ消えてしまうのかな。ひとは必ず死ぬのに、なぜ生まれてくるのかな。
怖い。いつか必ず死ぬなんて怖い。いつか、自分のからだも、自分が今考えていることも全て消えてなくなってしまうなんてすごく怖い。わたしはまだ死にたくない。
布団にくるまりながら、そんなことを考えていると胸がドキドキとした。そのうち耳からザッザッと言う音が聞こえてくる。そこまでくると、わたしはもう何も考えてることをやめてぎゅっと目を瞑る。
そうこうしているうちに、いつしか眠りの淵に引き摺りこまれていく。朝になるとそんなことはすっかり忘れてる。そしてまた眠れない夜に同じことを考える。わたしがまだ幼かった頃のことだ。
その頃、近くに谷川俊太郎さんがいたら、わたしの質問に何と答えてくれたかな…。
質問 六十四 ━━━━
人は、何をしに生まれてくるのですか。
(みもりん 十歳)
谷川さんの答 ━━━━
人は何かをしに
生まれてくるわけではありません。
生きているのが楽しくて
幸せだと思えるように生きる、
そのために生まれて、生きているんです。
この質問のあと。最後の質問は谷川俊太郎さんからの質問だった。
この質問に、あなたは何と答えますか。
質問 六十五 ━━━━
誰に訊いても、どんなに本やネットで調べても、答がない質問があります。それはどんな質問だと思いますか?