ひとりごと

3月8日

入院中の母と面会した日は、前日とは打って変わって猛吹雪だった。病棟からなかなか降りてこない母を待つ間、窓の外で横殴りに降る雪を見ながら私は何度もため息をついた。 昨年末には私と並んでスタスタと歩いていた母は、ナースに車椅子を押されて現れた。…

ピンクのスーツを着た青年と薔薇色の人生

コロナ禍の反動だろうか。私は、今年に入ってからLIVEに舞台にと、せっせと足を運んでる。松任谷由実デビュー50周年LIVEから始まり、お久しブリリアントの及川光博ワンマンショー。一度は観てみたい!と切に願っていた井上芳雄主演ミュージカル「ムーランル…

ー前略 失礼いたしますー

びっくりした?45年ぶりの手紙だもんね。互いの近況どころか、今では連絡先すら知らないのに、どうして手紙なんか書いたのかって? それはね… 私ね、隔月で実家に帰ってるの。もう誰も住んでいない家に。そう、あの家に。その実家滞在中に少しずつモノを処分…

50歳を過ぎたので。

以前、古田敦也氏が言っていた。「50歳過ぎたら、高田純次になりたい」と。この発言を耳にした高田氏は「俺も60過ぎたら、古田敦也になりたいと思っているんだけどね」と言った。 随分と前のことだけど、「適当論」を読んで、高田氏がとてもバランスのとれた…

実際の悲劇に基づく寓話ーSPENCERー彼女を本当に"殺した"のは誰?ーTHE PRINCESー没後25年に思い出した世にも恐ろしい法則

この地球には、世にも恐ろしい法則、すなわち「正負の法則」があります。 ー美輪明宏ー ああ正負の法則作者:美輪 明宏PARCO出版Amazon ・・・ 1997年のある夏の日。この日のことは、25年経った今もはっきりと覚えている。家族で遊びに出かけた帰りの車中、私…

シンデレラみたいに

毎日、意地悪な継母と姉達に虐められていたシンデレラは、ボロボロになって働いていました。舞踏会に着ていくドレスも無く泣いていると、魔法使いが現れました。魔法使いは、シンデレラがいつも頑張っているのを見ていたのです。魔法使いの魔法で綺麗なドレ…

その道のスペシャリストが云うことには

息子は元気に飛び立って行った。この先、新しい職場でもいろんなことがあるだろう。だけど、あそこまでのパワハラは無いと思うな。なぜなら、君が向かった場所には、あの二人はいないからね。 あの二人って、どんな人? 私は、息子の足元を見て、きっと大丈…

🎀わたしと🎀あなたと🎀大切な人を🎀守るためにできること🎀

転勤族の我が家には終の住処問題があります。地元に持っていたマンションは数年前に売却しました。この先、賃貸が良いのか持ち家が良いのか。10年後、義母や両親はどうなってるのか。私たち夫婦は健康か。そもそも、どこの土地を終の住処とするのか。現在の…

縁切榎におねがいー参拝三ヶ月後の晴れた日にー

過重労働と上司二人からのパワハラでダウンした息子が会社を休む事になったのは、今から三ヶ月と少し前のこと。ズタボロだった身体は、若さもあってか、たっぷりの休養と栄養であっという間に回復した。若いって凄い。若さって素晴らしい。 休職してまもなく…

現在・過去・未来

今の自分は、過去の積み重ねでできていると思っていた。今、自分を誇らしく思えるのは、これまでの努力や頑張りのおかげ。今、情け無い自分に思えてしまうのは、これまでの失敗や消したい過去を悔やむからだろう。 何かにつけて、起こったことの原因を突き止…

白い蝶々

空が青い。そして暑い。黒いワンピースの背中には容赦なく太陽が照りつけている。背中から肩の辺りがジリジリと焼けるような感覚だ。首を触るとネックレスが汗で濡れていた。ハンカチで汗を拭う。それにしても暑い。だけど、関東の暑さとは違って爽やかだ。…

時間よ止まれ

この日のことを 私はいつかきっと思い出す 目を細めながら空を見上げ あの日は暑かったね そう言って懐かしむ あの頃はまだ若かったけれど 私達も結構な歳になったよね 三十年連れ添った夫と 大空へと放ったタオル これ以上、歳を取りたくないよ このまま、…

その本は

その本は、書店を入ってすぐの場所にありました。 その本は、書店のイチオシとして並んでいました。 その本は、何となく手に取りたくなるような本でした。 その本は、結構な分厚さなのにサクサク読める本でした。 その本は、くすっと笑える本でした。 その本…

Dearsー後ろ姿しか知らない貴女はー

私があの人に狂っていた頃の話です。近所に仲良しのママ友、サトウちゃんが住んでいました。サトウちゃんは三人のお子さんがいる可愛いママ。私のくだらない冗談を間に受ける様な、純粋な人。そして少々慌てん坊でした。私たちはちょっとした時間を見つけて…

今日も、明日も、明後日も。

お盆休みです。休職中の息子は彼女や友だちとの予定で殆ど不在です。よって、私はずっと夫と二人で過ごしています。来月には義父の三回忌で遠方の実家に帰省するし、私はコロナ療養期間終了日から二週間以上経過するのに、まだ咳が続いています。(先月の帰…

村上RADIOとノボルちゃんのおばさん

最近、RADIOをよく聴いています。便利な世の中になりましたね。そう、radikoでRADIOを聴いています。 今回の『村上RADIO』のテーマは、「猫山さんセレクト・猫づくしの音楽」。幼い頃から、うちにはいつも猫がいたという愛猫家の村上春樹さんが、『村上RADIO…

縁切榎におねがいー縁は切れたら結ばれるー

息子にパワハラをした上司との縁を切るべく、息子を誘って縁切榎に参拝した。だけど、真っ先に縁が切れたのは、パワハラ上司ではなく彼女との縁だった…。 ••• 母の勘って凄いんだよ。毎日顔を合わせているとわかるの。何も話さなくとも、わかってしまうの。…

モンスターハンターと、超えてはいけないラインとーやっぱ人間じゃなかったー

今日もオレの話をする。オレの仕事の話の続きだ。 前回までのオレの話はこちら どうやらオレは、自分でも気がつかないうちに過労死ラインを超えて働いていたようだ。おまけに二人の上司から受けたパワハラで体調不良に陥り、現在は休職中の身。 正直なところ…

元カノと、「梨泰院クラス」

付き合っていた人と別れた後、その人とはどんな関係になりますか?別れ方にもよるけれど、縁が切れた以上、別れた後も友だちみたいな関係にはならないのが普通だと、わたしは思ってました。 ところが、息子は少しばかり違うようなんです…。 ・・・ もしかし…

谷川さんからの質問です

ひとはいつか必ず死ぬ。死んでしまったらいま頭の中で考えていることは一体どこへ消えてしまうのかな。ひとは必ず死ぬのに、なぜ生まれてくるのかな。 怖い。いつか必ず死ぬなんて怖い。いつか、自分のからだも、自分が今考えていることも全て消えてなくなっ…

縁切榎におねがいー参拝後四日目にプツンと切れた縁ー

板橋にある、小さな神社を知っていますか?この神社は、知る人ぞ知る「縁切り」で有名な神社です。昨年、友だちから教えてもらってからというもの、何度も訪れている「縁切神社」です。 祠があるだけのとてもとても小さな神社ですが、その効果たるや日本三大…

モンスターハンターと、超えてはいけないラインとー後編ー

これまでのお話ー前編ー これまでのお話ー中編ー 忠犬先輩の発言を聞いたオレは耳を疑った。モンスターが喜ぶなら何でもすると言うのか。だからなのか…。どうりで皆んながその組合せはヤバいと言っていたわけだ。溜息が出る。 モンスターは、とにかくまず自…

モンスターハンターと、超えてはいけないラインとー中編ー

以下は、息子の近くで息子の様子を見てきた私が、私なりの解釈をして、息子の気持ちを想像して書いた物語です。先日、息子の車に乗っていたとき、対向車線に唯ならぬオーラを放つライダー を目撃しました。ナレーションはその彼の声で「俺の家の話」の一人語…

モンスターハンターと、超えてはいけないラインとー前編ー

息子の様子がいつもと違うことに気がついたのは、実にラッキーだった。昨年からの仕事は介護帰省が頻繁になってきたこともあり契約を延長せず、派遣登録をしたばかり。それなのに不思議と条件に合う仕事が見つからないし、何となく仕事を探す気力が失せてい…

もうひとりのお母さんも、もうひとりのお兄ちゃんも、どこも、かしこも。

息子は、もうひとりのお母さんに会いに行った数時間後、大きな袋を抱えて帰宅した。 もうひとりのお母さんとは 中森先生に夕飯ご馳走になった。オレが寿司食べたいって行ったら連れてってくれたわ。「あんた、これ全部食べなさいよ!」って、めっちゃ食わさ…

もうひとりのお母さん

体調不良により病院受診をした息子は、「最低でも二週間の休養を要する」と医師に診断された。そうなってしまった原因とか、そこに至った経緯などはまた別の機会に話すとして…。 とにかく今は何も考えずに休みなさい。まずはゆっくりと眠りなさい。そして、…

何かあってからでは遅いのです

今、心の準備と手順を考えているところですいつも元気な息子から笑顔が消えかけているちょっと頑張り過ぎてるから少し休みなさい 頑張れてるのかどうかもわからない頑張ってると言われると涙出てきた 令和のこの時代に有り得ないちからのハラスメント成人し…

ーさよならは仮のことばー

いちばんたいせつなことをみようともせず いちばんしりたいことをあきらかにもせず こころがあるというのならおしえてほしい 本棚の中の一冊の本の中に いまの気持ちがみつかった 今週のお題「本棚の中身」 それは本棚の中にあった ー生きるーの中にあった …

ー縁切榎におねがいー切りたい縁も、切れない縁も、切るべき縁も

小さな小さなこの神社にいったい何度足を運んだことでしょう。最初に訪れたのは約一年ほど前。突然と息子から届いた嬉しい知らせの中に、小さな不安の種をみつけました。日に日に膨らむ不安に頭を抱えていたある日、偶々連絡があった都内に住む友人に、その…

名言だらけのグレート・マザー

自分の頭の上の蝿を追えない人に他人のことをとやかく言うことはできないのさ 子どもをひとり育てただけで、それは物凄い財産なのさ 常に相手の身に置き換えて考えるのさ 手のない人だっているんだから、手が折れたぐらいどうってことないのさ 私って本当に…