生きがいをさがして

ー誰かがいて成り立つ幸せは依存だし脆いのですー



美容室でパラパラとめくった雑誌の中に見つけた言葉にどきりとした。



あなたの生きがいは何ですか?



看護師の質問に「孫」と答えた母。ここで言う孫は、既に成人している私や妹の子ども達ではなく、弟夫婦の子どものことだ。小さくて可愛い孫の笑顔は生きる希望になる。



母はいつも誰かの為に動いてる人だった。自分の姉や義兄の闘病に寄添い、亡くなるには若過ぎた姪の最期を看取り、仕事をしながら産後の娘達(私と妹)のサポートをした。退職し、10年前に夫が倒れてからは、これが自分の仕事だからと父が入所する施設へと足繁く通っていた。



そんな折、新型コロナ感染拡大により、母は施設へ行けなくなり、あっという間に認知症になってしまった。いつも誰かのために生きていた母。いや、もしかして…。だからこそ、母は認知症になってしまったのかもしれない。母の幸せは、概ね自分以外のところにあるように見えたから。






【生きがいとは】

ー人生の意味や価値など,人の生を鼓舞し,その人の生を根拠づけるものを広く指すー
世界大百科事典 第2版「生きがい」の解説より引用




じゃあ、私の生きがいって?今の母のように、私の生きがいが自分以外のところにあり続けたら、私も母のようになってしまう可能性がある。だって、今の私は母の20年前であり、今の母は私の20年後なんだよね。




生きがいについて考えてみる。私がワクワクする瞬間を、私を鼓舞させるもののことを考えてみる。誰かに依存するのではなく、自分一人でも成り立つ生きがいのことを。




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たまたま読んだ本の、たった一行の文章に救われた思いがしたときとか、

映画のワンシーンにグッときて堪え切れずに涙を流してしまったときとか、

偶然耳にした音楽に鳥肌がたってしまったときとか、

電車の中で、お年寄りに席を譲る優しい高校生を見て嬉しくなったときとか、

全然期待せずに観始めた韓国ドラマに超好みの俳優を発見してしまったときとか、ときとか…。





なーんだ、いっぱいあるじゃない。体調がいまひとつパッとしなくたって、思うように物事が運ばなくたって、腹が立つ事があったって、疲れきってるときだって、何か一つくらいはイイことがある。




何の変哲もない日常にワクワクが潜んでいる。

 


このワクワクを見過ごさない。
これこそがわたしの生きがい。





たまたま見上げた空に、ハートが浮かんでる日だってあるからね。






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そんな月子のseason2が始まります